85
第
1
章
第
2
章
第
3
章
第
4
章
第
5
章
第
6
章
第
7
章
第
8
章
第
9
章
第
10
章
第
11
章
第
12
章
▲
intra-fractional variation(治療前後)
治療前の位置照合
治療後の位置照合
再度確認
治療ビーム照射
照射中に位置が
変動
位置ずれなし
治療計画での位置
実際の患者の位置
O.K.
▲
inter-fractional variation(全治療期間)
Day 2
Day …
last
ずれ(小)
ずれ(大)
ずれ(ほぼなし)
Day 1
●
ある治療日における照射中の動きを指す。
●
治療時間が長くなりやすい治療(IMRT,SBRT等)
において,特に重要となる。
●
治療前の位置照合を正確に実施することによって,
セットアップに伴う位置誤差を限りなく小さくする
ことができる。
●
治療ビーム照射中,術者はモニターから患者の様子
を観察しているため,大きな体動(咳,くしゃみ等)
があれば,位置照合をやり直すことができる。
●
一方,ビーム照射中の体内の様子(腸管ガス等)を
知ることはできない。治療ビーム照射後に再度位置
照合を行うと,治療前とは若干異なる場合がある。
これをintra-fractional variationという。
●
毎回の治療日ごとの照射位置の変動(ずれ)であり,
患者側,術者側両方に依存する。
●
畜尿量や腸内ガスの状態等,制御困難な生理的因子
に大きく依存する。
●
治療期間が長くなる場合,体型の変化にも左右され
る。
●
症例により異なるが,多い場合は40回程度に分割し
て照射が行われる。
●
患者体内の様子(腸管ガス,蓄尿量等)が毎日,完
全に同じ状態となることはない。また,セットアッ
プを実施する術者が毎回同じとも限らない。
●
inter-fractional variationは少ない方が良い。
3 変 動(variation)
マージンを考える際に重要な要素としてvariation(変動)という概念がある。1回の照射前後におけ
る変動(intra-fractional variation)と,全治療期間での変動(inter-fractional variation)の2種類があ
る。