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第
1
章
第
2
章
第
3
章
第
4
章
第
5
章
第
6
章
第
7
章
第
8
章
第
9
章
第
10
章
第
11
章
第
12
章
消化器
病 名
治療の概要
治療法
食道癌
Esophageal cancer
●
6〜10 MV X線
●
原発巣と転移部およびリンパ節を照射範囲
に含める
●
併用療法として化学療法,内視鏡切除(表
在癌)がある
●
脊髄線量を下げるため,前後対向2門照射と斜
め対向2門照射を組み合わせる
・ 60〜70 Gy/30〜35回
肝細胞癌
Hepatoma
●
X線,陽子線,炭素線
●
腫瘍および脈管内腫瘍栓を照射
●
定位照射や粒子線治療により,通常のX線
照射よりも高線量の投与が可能
●
肝動脈化学塞栓療法(TACE)を併用する
ことがある
●
ビームのエネルギー,門数,角度などを適切に
選び,正常肝,消化管,脊髄などの線量を低減
する
・ X線3D-CRT:50 Gy/25回程度
・ SRT:30〜40 Gy/5回,48 Gy/4回など
・ 陽子線:66 GyE/10回,72.6 GyE/22回
など
・ 炭素線:45 GyE/2回など
●
TACE施行後に残留したリピオドールは高CT
値となる
膵 癌
Pancreatic cancer
●
10 MV以上のX線
●
リンパ管浸潤や神経周囲浸潤の頻度が高い
が脊髄や肝臓,腎臓,消化管などリスク臓
器も多く存在する
●
化学放射線療法が標準的
●
ビームのエネルギーや門数,角度を適切に選び,
消化管や脊髄などの線量を低減する
・ 50 Gy程度(1回線量1.8〜2 Gy)
食道癌のつなぎ照射
つなぎ目
食道癌のつなぎ照射(X線の例)
食道癌の照射野は頭尾に長く,脊髄線量を下げるた
めに頭側と尾側で照射方向が一致せず,つなぎ照射が
必要になる場合がある。つなぎ目の線量が高線量にな
らないよう注意が必要である。つなぎ目は毎回または
一定線量ごとに変更し,常に同じ位置が過大線量また
は過小線量になることを防ぐ。
肝臓癌の粒子線治療
肝癌に対する陽子線治療
粒子線は,ある一定の深さで止まるという性質を持
つ。この性質により,肝臓への照射体積を小さく抑え
ることができる。呼吸により体輪郭および肝臓の形状
が変化するため,呼吸同期を行うことが望ましい。2
門以上のビームを使用することで皮膚線量を低減でき
る。