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消化器

病 名

治療の概要

治療法

食道癌

Esophageal cancer

6〜10 MV X線

原発巣と転移部およびリンパ節を照射範囲

に含める

併用療法として化学療法,内視鏡切除(表

在癌)がある

脊髄線量を下げるため,前後対向2門照射と斜

め対向2門照射を組み合わせる

 ・ 60〜70 Gy/30〜35回

肝細胞癌

Hepatoma

X線,陽子線,炭素線

腫瘍および脈管内腫瘍栓を照射

定位照射や粒子線治療により,通常のX線

照射よりも高線量の投与が可能

肝動脈化学塞栓療法(TACE)を併用する

ことがある

ビームのエネルギー,門数,角度などを適切に

選び,正常肝,消化管,脊髄などの線量を低減

する

 ・ X線3D-CRT:50 Gy/25回程度

 ・ SRT:30〜40 Gy/5回,48 Gy/4回など

 ・ 陽子線:66 GyE/10回,72.6 GyE/22回

など

 ・ 炭素線:45 GyE/2回など

TACE施行後に残留したリピオドールは高CT

値となる

膵 癌

Pancreatic cancer

10 MV以上のX線

リンパ管浸潤や神経周囲浸潤の頻度が高い

が脊髄や肝臓,腎臓,消化管などリスク臓

器も多く存在する

化学放射線療法が標準的

ビームのエネルギーや門数,角度を適切に選び,

消化管や脊髄などの線量を低減する

 ・ 50 Gy程度(1回線量1.8〜2 Gy)

食道癌のつなぎ照射

つなぎ目

食道癌のつなぎ照射(X線の例)

食道癌の照射野は頭尾に長く,脊髄線量を下げるた

めに頭側と尾側で照射方向が一致せず,つなぎ照射が
必要になる場合がある。つなぎ目の線量が高線量にな
らないよう注意が必要である。つなぎ目は毎回または
一定線量ごとに変更し,常に同じ位置が過大線量また
は過小線量になることを防ぐ。

肝臓癌の粒子線治療

肝癌に対する陽子線治療

粒子線は,ある一定の深さで止まるという性質を持

つ。この性質により,肝臓への照射体積を小さく抑え
ることができる。呼吸により体輪郭および肝臓の形状
が変化するため,呼吸同期を行うことが望ましい。2
門以上のビームを使用することで皮膚線量を低減でき
る。