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 放射線治療計画装置(radiotherapy treatment planning system:RTPS)

  1 放射線治療計画立案の流れ

 

 放射線治療計画装置ではCT画像(CT値)の情報を活用し,線量計算を行う。

 

 本項では,前立腺を例に治療計画立案の流れを説明する。

 RTPSで行う実際の流れ(前立腺の場合)

体輪郭の定義

人体の輪郭(体輪郭)を定義する。

線量計算は体輪郭の内部で行われ

る。

   

各種体積の定義

標的(PTVまで)とリスク臓器を定

義。

必要に応じ,fusionしたMRIやPET

画像も参照する。

   

基準点の設定

アイソセンタ(回転中心)および

ICRU基準点

(reference point)の設定

   

ビームの設定

照射方式(門数,回転照射等)

照射野の設定(MLC, Jaw)

ガントリおよびコリメータ角度

ボーラス等の設定

   

線量の設定

   

線量評価

PTVへ十分な線量が与えられるか?

OARの線量は?

線量計算を行う領域として,人体の輪
郭を定義する。体輪郭の定義では,通
常,閾値を設定することで,半自動的
に行うことができる。

標的およびリスク臓器を定義する作業
をc

コンツーリング

ontouringと呼ぶ。標的を定義する

際はCT画像のみでなく,MRIやPET
画像が参照されることもある。

多門照射の場合には,ガントリを回転
させる時の交点となるアイソセンタ

(回転中心)を設定する。多くの場合,

アイソセンタは照射したい領域の中心
付近に設定される。さらにICRU基準
点を設定し,処方線量の規定に用いる。

照射方式(門数,固定or回転)を決定
する。照射門ごとに照射野を決定し,
線量分布を表示させる。MLCの設定
は,PTVに必要なマージンを付加する
ことで,半自動的に設定することも可
能であるが,リーフごとに微調整する
ことも可能である。

照射野決定後,各門からの線量

(weight)をどの程度にするかを決定

する。

全照射野からのビームを合成した合成
線量分布を表示し評価する。線量分布
図はカラーマップや等線量曲線(isod-
ose curve)で表示される。より客観的
な線量評価法として,線量体積ヒスト
グラム(DVH)がある(☞

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)。

アイソセンタ

④⑤⑥

を繰り返し,最も理想的な照射条件を決定する。