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  3 放射線治療計画装置への画像取り込み

 治療計画に使用する画像

CT画像

より明確に病変を

確認するには

CT画像にMRI

を合わせる

線量計算には必須

fusion

 

 RTPSを用いた治療計画を立案する場合には,CT画像が必須である。しかし,GTVやCTVを定義

するには,CT画像では不十分な場合もあり,MRIなどの画像も使用される。

  4 CT画像による線量計算

 コンプトン効果

コンプトン効果

光電効果

電子対生成

コンプトン効果では電子の密度が重要!

光子の相互作用

治療で重要

軌道電子による散乱

物質

X線

 

 放射線治療に用いられる高エネルギーX線は,患者の体内で主にコンプトン効果を起こし減弱するた

め,X線の減弱割合を求めるためにはコンプトン効果を起こす確率が重要となる。

 

 コンプトン効果は軌道電子との相互作用であるため,発生確率は物質の電子密度に依存する。

 

 電子密度がわかれば,コンプトン効果の比率を計算することが可能となり,X線の減弱を模擬できる。

 CT値電子密度変換テーブル

0.5

0

1

1.5

変換テーブルの例

相対電子密度

1000

500

0

-500

-1000

CT

CT値相対電子密度変換テーブル作成用ファントム

外 観

CT画像

 

 患者のCT画像からどのように電子密度の情報を得るかが重要となる。そのため,電子密度が既知で

ある数種類の物質を治療計画用CT装置でスキャンし,CT値を取得する。その関係性を示すテーブ
ルを用いれば,患者のCT画像(CT値)から体内の電子密度を求めることが可能となる。

 

 同じ物質を撮影してもCT値は装置ごとに異なるため,装置ごとにテーブルを作成する必要がある。

 

 CTの撮影条件(特に管電圧)によってCT値が変動するため、治療計画に用いるCT画像はテーブル

取得時と同じ管電圧で撮影する。