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. Post-analytical

ASCO/CAPガイドライン2013年版は,組織型によって予想されるHER2検査

結果と実際の結果が異なる場合,HER2の再検索を考慮するよう推奨している

1)

HER2の陽性頻度は組織型やグレードによって異なり

2)

,特に組織学的グレード

3の浸潤性乳管癌で陽性頻度が高いことが知られている

3)

再検を考慮する実例として,組織学的グレードが1のホルモン受容体陽性浸潤

性乳管癌,ホルモン受容体陽性浸潤性小葉癌,管状癌,粘液癌,浸潤性篩状癌,
腺様囊胞癌などがHER2陽性だった場合を挙げている

1)

。これらの組織型では通

常,HER2陰性であるためである

2)

現状では,病理医あるいは臨床医が,組織型とHER2判定結果との間に明らか

な乖離があると判断した場合にのみ,HER2の再検索を考慮してもよい。

検索式・参考にした二次資料  

Pubmedにてhuman epidermal growth factor receptor type 2, breast cancer, histo-

logical classification, discordanceのキーワードを用いて検索した。またASCO/CAP ガ
イドライン2013年版を参考とした。ハンドサーチで検索した重要文献も参考とした。

参考文献  

 1) Wolff AC, Hammond ME, Hicks DG, et al. Recommendations for human epidermal growth 

factor receptor 2 testing in breast cancer: American Society of Clinical Oncology/College 
of American Pathologists clinical practice guideline update. J Clin Oncol. 2013;31:3997-
4013. 

 2) Weigelt B, Reis-Filho JS. Histological and molecular types of breast cancer: is there a uni-

fying taxonomy? Nat Rev Clin Oncol. 2009;6:718-30. 

 3) Tsuda HH. Prognostic and predictive value of c-erbB-2 (HER-2/neu) gene amplification in 

human breast cancer. Breast Cancer. 2001;8:38-44.

CQ 3-2

ASCO/CAPガイドライン2013年版では,組織型によって予想される
HER2検査結果と実際の結果が異なる場合,HER2の再検索を考慮する
よう推奨している。病理医あるいは臨床医が,組織型とHER2判定結果
との間に乖離があると判断した場合は,HER2の再検索を考慮してもよ
い。