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第3章臨床研究のデザイン力を磨くPE(I)COの枠組みが大まかに定まった段階で,詳細な文献検索を行い,PE(I)COをさらに洗練させる必要がある。文献検索には,医学全域をカバーするPubMebの検索サービスが便利である。コクラン共同計画のCENTRAL(The Cochrane Central Register of Controlled Trials)もぜひ活用したい。そのほか,薬剤領域の研究が多いEMBASE(Excerpta Medica dataBASE),看護領域に強いCINAHL(Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature)などもある。PubMedマニュアル(http://www.lib.m.u-tokyo.ac.jp/manual/pub medmanual.pdf)は,詳細かつわかりやすいので,ぜひ参照されたい。忙しい臨床家が読むべき論文を厳選するためのコツとして,PubMedのFilter(絞り込み)機能の活用を推奨する。デフォルト以外のFilter機能を表示させるには,画面上の“Show additional filters”をクリックする。Journalの項目で“core clinical journal”を選択することにより,主要誌に掲載された比較的質の高い論文のみを検索可能である。CQからRQへ定式化しても,そのRQは既に先行研究で検証済みかもしれない。臨床的に決着がついてしまっている問題であれば,新規性のある研究はまず無理であって,わざわざ追試を行う意味もない。しかし,過去に同じテーマの先行研究が既に複数存在するからといって,そこであきらめる必要はない。先行論文を批判的に吟味し,「何が明らかになっているか?」という視点からさらに発展して,「まだ明らかになっていないことは何か?」を探索する視点が重要である。すなわち,先行論文の行間を読むのである。先行研究にはない部分,足りない29 (i) 文献検索 (ii) 先行論文の行間を読む(2) 先行研究のレビュー

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