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第3章臨床研究のデザイン力を磨く自分の専門領域の医学雑誌は毎号目を通すこと,学会に出席してホット・トピックスの動向を見定めることも重要である。他の分野で用いられている概念,検査・治療などの技術,研究方法論上のアプローチなどを,自身の専門分野に導入することによって,新規の研究を立ち上げることもできる。最近は医療系のメディアも増えている。CareNet(http://www.carenet.com/)などの医療系のニュース記事を読んでいるうちに,「ネタ」が閃くかもしれない。   日常臨床からクリニカル・クエスチョン(CQ)を紡ぎ出しただけでは,すぐに臨床研究を始めることはできない。次のステップとして,CQからリサーチ・クエスチョン(research question,RQ)への定式化が必要となる。まだ頭の中でモヤモヤしている不確かなCQを,検証可能(testable)なRQに昇華させる作業である。RQとは,CQを構成する要素をPE(I)COという枠組みにあてはめ,研究の目的・仮説を明確化したものである。あまたの情報源からCQをかき集めることが大事である。情報を集めることは,単に自分の技能や知識を向上させることに役立つばかりではなく,新しい臨床研究というクリエイティブな活動の源泉になる。27(2) さまざまな情報源からCQを紡ぎ出す(1) PE(I)COへのあてはめ2 クリニカル・クエスチョンからリサーチ・クエスチョンへ

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